顎の骨が少ない場合のインプラント治療について解説!

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顎の骨が少ない場合のインプラント治療について解説!

こんにちは。茨城県取手市にある歯医者「One's歯科クリニック」です。

  • 顎の骨が少ない場合のインプラント治療について解説!

「顎が小さいとインプラント治療ができない」「骨が薄いとインプラント治療ができない」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、インプラント治療を骨が足りないからと断られた経験がある方もいらっしゃるでしょう。

インプラント治療で骨が足りない場合には、骨を増やす手術を受けられることがあります。

今回の記事では、その具体的な術式や方法、メリット・デメリットそれから、気になる費用面などについて解説していきたいと思います。

 

顎の骨が少ないとインプラント治療は受けられない?

 

顎の骨が少ないと、インプラント治療を受けることができないのかと心配になる方がいるかもしれません。

結論から言うと「顎骨が少ないまま」では、インプラント治療を受けることは難しいです。インプラント体の材質はチタンまたはチタン合金で、大きさは直径3〜5mm、長さは8〜18mmです。顎骨が少ない・薄い状態で、このインプラント体を埋め込むとどういうトラブルが発生してしまうのでしょうか。以下に詳しく解説します。

 

顎骨を突き抜ける

顎骨が小さいため、インプラント体が顎骨を突き破って露出してしまう可能性があります。口腔内にとって危険なだけではなく、土台にしっかりと埋め込まれていないため安定性も損ないます。

 

顎骨が割れる

薄い顎骨にインプラント体を埋め込むことで、顎骨が割れたり欠けたりしてしまう可能性があります。修復には半年〜1年以上を要し、さらにインプラント治療自体を諦めなければならない場合もあります。

 

顎の骨が少なくなる理由

  • 顎の骨が少ない場合のインプラント治療について解説!

顎骨が少ない・小さい原因は、産まれもったものだけではありません。日常生活や習慣で顎の骨が減ってしまうことがあります。顎の骨が減っていくとはどういうメカニズムなのでしょうか。その理由をここでは解説していきます。
 

歯周病

顎骨が少なくなる理由で最もメジャーなのが、歯周病です。

若い世代では「歯周病なんて無縁だ」と考えてしまいがちですが、軽症例を含めると日本人の80%は歯周病を患っていることがわかっています。歯周病が進行していくと歯槽膿漏となり、炎症・感染で顎骨が痩せ、溶かしていくことがあります。

 

歯ぎしり

歯ぎしりは、寝ているときに無意識に行ってしまっている方が多いです。

歯ぎしりは50~100kgを超える力がかかるといわれています。負担が強くなることで、顎骨がすり減ってしまいます。

 

片噛み

「右側、もしくは左側ばかりで食事してしまう」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

食事の際、顎には30kg程度の力がかかっているとされています。毎日の食事で片側のみに強い力が加わっていると、片側の骨だけすり減ってしまうでしょう。

 

抜歯後

何らかの事情で抜歯したあとに歯を脱落したままにしておくと、役割を失ってしまった顎骨は徐々に衰えていってしまいます。結果として、顎骨が少なくなることにつながります。

 

歯科治療後における顎骨への負担 

軽微な虫歯治療ではあまり影響はありませんが、ブリッジや入れ歯などの歯科治療では顎骨に負担が生じるケースもあります。

 

顎の骨が少ない場合に行う治療法

 

顎の骨が少ないからと、インプラント治療を諦める必要はありません。顎の骨が少ない方は「骨造成」と呼ばれる外科手術を受けることで、顎骨を増やすことができる場合があります。

ここからは、骨造成のよくある術式を解説します。

 

GBR(骨誘導再生法)

 

骨を増やしたい部分を「メンブレン」という人工膜で覆い、骨の形成を阻害する成分を入らないようにします。その中に自家骨や人工の骨補填材を詰めて骨芽細胞を増やします。

 

ソケットリフト(上顎洞挙上術)

歯肉を切開し、上顎洞粘膜を慎重に剥がし、空間を作ります。この空間に、人工骨となる歯科材料を注入して安定させます。上顎に適応する方法で、骨の厚みが5mm以上ある方が適応となり、術範囲は歯1本分のみです。

治療期間は3か月程度と比較的短く、インプラント外科治療と同時にできるため、身体への負担も少ない方法といえるでしょう。

 

サイナスリフト(上顎洞挙上術)

 

先述したソケットリフトと術式はほぼ同様ですが、ソケットリフトで対応できない場合はサイナスリフトが適応となります。骨の厚みが5mmに満たない場合や広範囲に複数の顎骨が欠損している症例に向いています。

身体的負担は少し大きくなりますが、ソケットリフトに比べると広範囲に骨造成ができるため、その後のインプラントがしやすくなることがメリットといえるでしょう

 

骨造成を行うメリット・デメリット

 

骨造成は難しい手術ではありませんが、同意書が必要な「外科手術」に分類されます。手術後に後悔がないように、骨造成を行うメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。

 

骨造成を行うメリット

まずはメリットについて解説します。

 

インプラント治療の安全性・安定性が高くなる

インプラントとは、インプラント体と呼ばれる人工の歯根を顎骨に埋め込んで人工歯を被せています。そのため、顎骨が薄い・小さいとがっちりと埋め込むことができず、不安定な歯根となってしまうことが考えられます。

骨造成で土台をしっかりとさせることができれば、インプラント体の安定性につながり、インプラント自体の寿命も長くなるでしょう。

 
審美性が高くなる

歯肉の美しさは顎骨が非常に深く関与しています。

顎骨が小さい方・痩せている方は、歯肉も痩せて見えてしまいます。顎骨の形を整え、健康的な見た目の歯肉・歯列にするために、骨造成術は効果的といえるでしょう。

 

骨造成を行うデメリット

続いて、骨造成を行うデメリットについて解説します。

治療期間が長期化する

骨造成手術は、治療完了までにかかる時間が長くなります。期間の目安としては、顎骨が再生するまでに約半年、人によっては1年以上かかることもあつでしょう。

しかし、インプラント体の埋込みと骨造成を同時に行える症例では、治療期間が極端に長引くことはありません。

 

痛みや腫れが生じる可能性がある

痛みに関しては人それぞれですが、インプラント体を埋め込む手術に加えて、骨造成の手術を行うことになります。外科処置にともなう痛み・腫れ・感染症のリスクについては、理解しておく必要があるでしょう。

 

骨造成の流れ

それでは、詳しい骨造成の流れについて説明していきます。

 

GBR

1.レントゲンやCTなどで画像診断する

2.歯科医師と相談して術式を決定する

3.自家骨を採取する

4.インプラント体を埋入する

5.自家骨・補填材(歯科材料)を注入する

6.メンブレン膜で保護する

7.切開した歯肉を縫合する

8.人工歯を装着する

 

ソケットリフト・サイナスリフト

1.レントゲンやCTなどで画像診断する

2.歯科医師と相談して術式を決定する

3.歯肉・骨を除去する

4.シュナイダー膜を押し上げる(空間をつける)

5.補填材(歯科材料)を充填する

6.インプラント体を埋入する

7.人工歯を装着する

 

骨造成の費用

 

「手術」と聞くと、高額な医療費をイメージする方がたくさんいます。ここからは、骨造成の費用について術式ごとに説明していきます。

GBR(骨誘導再生法) :3〜10万円

ソケットリフト(上顎洞挙上術):3〜5万円

サイナスリフト(上顎洞挙上術):5〜35万円

 

※上記費用は例です。実際に必要な費用は、治療する歯科医院によって異なるため確認しましょう。

 

インプラント治療は、審美的な目的で行う場合が多く、原則として保険適応の対象にはなりません。骨造成手術も同様に、インプラント治療の一部として考えられるため、自己負担となります。

ただし、先天的な理由や交通外傷などの後天的理由で、大幅に顎骨が失われている、歯科医師配置基準を満たした大学であるなど、非常に厳しい条件を満たした方のみ保険適応の対象となることがあります。基準を満たしているかどうかは自己判断できません。気になる方は、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

 

まとめ

  • 顎の骨が少ない場合のインプラント治療について解説!

顎の骨が少ないからといって、簡単にインプラント治療を諦める必要はありません。本記事で紹介してきた骨造成を行えば、インプラント治療ができる可能性は高まります。骨造成とひとくくりにいっても、その種類はさまざまで、それぞれに異なる特徴、メリット・デメリットがあります。歯科医院でしっかりと説明を受けて、適切なアドバイスをもらいましょう。

インプラント手術や骨造成を検討されている方は、茨城県取手市にある歯医者「One's歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。