茨城県取手市のJR常磐線取手駅に直結、茨城県取手市中央町の歯医者「取手iセンター」のオフィシャルブログ一覧です。インプラント治療や矯正歯科、審美歯科など歯科に関する情報だけでなく、日常のさまざまな発見や皆さまにお知らせしたいことを発信していきますので、ぜひご覧ください。
インプラント周囲炎の原因と治療法!健康な歯周組織を維持する方法!
こんにちは。茨城県取手市にある歯医者「One's歯科クリニック」です。
インプラントは虫歯になりませんが、ケアを怠るとインプラント周囲炎になることがあります。インプラント周囲炎は気づきにくい病気のため知らない間に進行し、最悪の場合インプラントが抜け落ちるかもしれません。
今回は、インプラント周囲炎の原因や治療法について解説します。症状や予防法もご紹介するので、インプラントを長く使い続けたい方はぜひ参考にしてください。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に炎症が起きる進行性の病気です。症状が進むとインプラントがぐらつき、最悪の場合、抜け落ちることがあるでしょう。
インプラント周囲炎は「インプラントの歯周病」ともよばれ、歯周病と似た症状が現れます。
しかし、症状の進み方に違いがあるのです。歯の周りには、歯茎や顎の骨に血液を供給する歯根膜という薄い膜が存在します。歯と歯茎の境目から細菌が侵入することを防ぐ役割も果たしています。歯根膜があるので、歯周病になっても急激に悪化することは少ないです。
一方、インプラントは人工物のため、歯根膜が存在しません。インプラントと歯茎の間にすき間ができやすく、血液の供給も不十分になりやすいため、インプラント周囲炎を発症すると悪化しやすいのです。
初期段階のインプラント周囲炎は痛みなどの症状がないことが多く、気づいたときには症状が進行していることも少なくありません。インプラント周囲炎は、日頃から予防することと、早期に症状に気づいて治療を始めることが大切です。
インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎は、歯周病と同じく進行性の病気です。歯茎部分に炎症が起きるインプラント周囲粘膜炎から始まり、症状が進むと顎の骨にまで炎症が広がるインプラント周囲炎を引き起こします。
それぞれの症状は、以下のとおりです。
インプラント周囲粘膜炎
歯茎の腫れや発赤、軽い出血などの症状がみられますが、痛みなどの症状はほとんどありません。インプラント周囲粘膜炎の段階で、ご自身で気づける方は多くないでしょう。
しかし、インプラント周囲粘膜炎の段階で気づくことができれば、治療で改善できることが多いです。歯磨きのときに血が出る、インプラントの周囲の歯茎が赤いなど、気づいたことがあれば歯科医院を受診しましょう。
インプラント周囲炎
インプラント周囲粘膜炎よりも症状が悪化すると、インプラントと歯茎の境目が深くなります。食べかすが詰まりやすくなる、膿が出るなどの症状が現れるでしょう。
顎の骨にも炎症が広がることで、顎の骨が溶かされます。歯茎が下がって、インプラント部分の歯が長く見える、インプラント体が露出するなど、見た目に影響を与えることもあるでしょう。
重度のインプラント周囲炎になると、インプラントを支える顎の骨が溶かされ、インプラントがぐらつき、最悪の場合抜け落ちます。
インプラント周囲炎によって失った顎の骨は、治療を行ってももとには戻せません。インプラント周囲炎の症状に早期に気づき、治療を開始することが大切です。
インプラント周囲炎の原因
歯周病と同じように、インプラント周囲炎も磨き残し(歯垢)に潜む歯周病菌が原因です。インプラント周囲炎は、口内の環境だけでなく、生活習慣や持病によって引き起こされることもあるでしょう。
インプラント周囲炎の原因は、以下のとおりです。
ケア不足
インプラント周囲炎になる主な原因は、歯磨きが不十分なことです。磨き残しである歯垢は、初めは歯ブラシで取れるやわらかい汚れですが、2~3日程度で硬い歯石へと変化し、歯ブラシでは取り除けなくなります。
また、歯石は表面がザラザラしています。汚れが付着しやすいため、インプラント周囲炎を悪化させやすいのです。
生活習慣
インプラント周囲炎は、生活習慣によって症状が悪化することがあります。例えば、喫煙や歯ぎしり・食いしばりなどが挙げられるでしょう。
喫煙すると、ニコチンの作用によって歯茎の血流が悪くなり、免疫力が低下します。そのため、非喫煙者と比べると喫煙者のほうがインプラント周囲炎になりやすいのです。タバコには、歯茎の炎症を治りにくくする作用もあります。インプラント周囲炎になった場合、症状が悪化しやすいのです。
歯ぎしりや食いしばりをする場合、歯やインプラントに過大な負荷がかかります。特に、インプラントを支える歯茎や顎の骨に負荷がかかると、インプラント周囲炎の症状を進行させることがあるでしょう。
糖尿病や貧血
インプラント周囲炎は、全身の健康状態によって症状が悪化することがあります。
糖尿病や貧血の場合、病気の影響で抵抗力が弱まりやすいでしょう。歯周病にもインプラント周囲炎にもなりやすく、悪化しやすいといわれています。
どちらもインプラント治療を受けられないわけではありませんが、インプラント治療前から持続的な治療を行う必要があるでしょう。また、インプラント周囲炎を予防するために、定期的なメンテナンスが欠かせません。
歯周病
インプラントの治療前に虫歯や歯周病が見つかった場合、優先して治療するのが一般的です。
しかし、早くインプラント治療を進めたいからと歯周病を治療しなかった場合、歯周病菌が繁殖しやすい口内環境が維持されます。インプラント治療後にインプラント周囲炎になり、インプラントを使い続けられなくなるかもしれません。
そのため、必ず歯周病の治療を終わらせてから、インプラントの治療を始めましょう。
インプラント周囲炎が与える悪影響
インプラント周囲炎は進行性の病気のため、放置すると症状が悪化します。
歯茎に限った炎症から始まりますが、症状が進むと顎の骨にまで炎症が広がります。インプラントがぐらつき、全体的な噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。さらに症状が進むと、インプラントを支える顎の骨がなくなり、自然にインプラントが抜け落ちることもあります。
また、インプラント周囲炎になっているということは、歯周病が繁殖しやすい環境ということです。歯周病を発症するリスクも高いでしょう。
インプラント周囲炎も歯周病も、初期段階では自覚症状がなく気づきにくいため、症状が進行しやすいです。最終的には、インプラントや歯が自然に抜け落ちるかもしれません。
インプラント周囲炎の治療法
インプラント周囲炎の治療法は、以下のとおりです。
基本的な治療
基本的な治療では、以下の内容を行います。
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全体的なクリーニング
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インプラント周囲の洗浄
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薬剤注入
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歯磨き指導
インプラントの周囲に炎症が起き始めたら、まずは全体的なクリーニングを行います。歯やインプラントの周囲に付着した歯垢や歯石を取り除き、口内の歯周病菌を減らすのです。症状に合わせて、インプラントの周囲に炎症を抑える薬剤を注入することもあるでしょう。
治療だけでなく、毎日の歯磨きによるケアも大切です。そのため、患者様に合わせた歯磨き方法を指導し、磨き残しを減らすサポートも行います。
外科的治療
外科的治療は、以下のとおりです。
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歯茎を切開し、インプラント体を洗浄する
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骨移植・骨再生手術を行う
インプラントの周囲の炎症が進み、顎の骨の吸収がみられる場合、基本的な治療のほかに外科的治療を行います。
麻酔をして歯茎を切開し、インプラント体についた汚れを徹底的に除去して炎症を抑えます。顎の骨が足りない場合は、骨移植や骨再生などの手術が行われるでしょう。
インプラント周囲炎を予防する方法
インプラント周囲炎を予防するには、日頃からできるセルフケアと歯科医院でのプロによるケアの両方を行うことが大切です。
毎日の歯磨きの徹底
インプラント周囲炎は磨き残しが多いと発症しやすいため、毎日の歯磨きによるケアが非常に重要です。歯ブラシで磨くだけでなく、インプラントと歯茎の境目や、歯と歯の間などを意識して磨きましょう。
特に、インプラントは天然歯と比べると、根元部分に汚れがたまりやすいです。インプラント用の毛先が細い歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどの補助用具も使用して、しっかりと汚れを除去しましょう。
自己流で歯磨きをしていても磨き残しはなくならないので、歯科医院で正しい歯磨き方法を教えてもらってください。毎日の歯磨きの質を向上させ、磨き残しをなくしましょう。
生活習慣の見直し
タバコや歯ぎしり・食いしばりなどは、インプラント周囲炎を悪化させます。
インプラント周囲炎を予防するには、禁煙するのが望ましいでしょう。歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インプラント部位だけでなく残っている歯にも過度な負担をかけます。ナイトガードを使用するなど、負担を減らせるように努力しましょう。
歯科医院での定期的なメンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。毎日歯磨きをしていても、磨き残しや歯石は生じます。
特に、歯石は歯ブラシでは除去できません。定期的なクリーニングで除去してもらう必要があるでしょう。
また、定期メンテナンスでは、インプラントに不具合がないかも確認してもらえます。噛み合わせの問題や、虫歯や歯周病の有無なども確認してもらえるでしょう。
定期的にメンテナンスを受けることで、インプラント周囲炎の予防や残っている歯を守ることにつながります。3~6か月に一度はメンテナンスに通い、口内の状態を確認してもらいましょう。
まとめ
インプラント周囲炎は、初めは痛みなどがないので気づきにくい病気です。気づいたときには、インプラントがぐらつき、自然と抜け落ちることもあるでしょう。
インプラント周囲炎が自然に治ることはありません。進行性の病気のため、放置すればするほど悪化します。
インプラント周囲炎によって吸収された顎の骨は、もとには戻せません。毎日の歯磨きによるセルフケアと定期的なメンテナンスを徹底し、インプラント周囲炎を予防することが非常に重要です。
インプラント治療を検討されている方は、茨城県取手市にある歯医者「One's歯科クリニック」にお気軽に相談ください