歯周病の外科治療が必要となるケース!治療の種類や目的、できない人とは

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歯周病の外科治療が必要となるケース!治療の種類や目的、できない人とは

こんにちは。茨城県取手市にある歯医者「One's歯科クリニック」です。

「歯周病が進行している」と言われたり、歯周病に対する外科治療を提案されたり、歯周病に関するお悩みがある方もいるのではないでしょうか。

歯周病の進行を防ぐためには、早期の治療が重要です。軽度の症状であれば、スケーリングやルートプレーニングなどの基本的な治療で改善できますが、進行すると外科的な治療が必要になることもあります。

本記事では、歯周病の外科治療が必要となるケースや、治療方法について詳しく解説します。歯周病でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

 

歯周病の外科治療が必要となるケース

  • 歯周病の外科治療が必要となるケース!治療の種類や目的、できない人とは

歯周病は、初期の段階であれば日々のセルフケアや簡単な処置で改善できることが多いです。歯科医院で行うスケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根の表面を滑らかにする処置)といった基本的な治療で改善できるでしょう。

しかし、症状が悪化するとこれらの治療では対応が難しくなり、外科的な治療が求められることがあります。以下では、外科治療が必要となる主なケースを紹介します。

 

歯周ポケットが深くなっている場合

健康な歯茎は、歯と歯茎の間にある歯肉溝は1~3mm程度の深さで、細菌の侵入を防ぐ役割を果たしています。

しかし、歯周病が進行すると歯肉溝が深くなり、歯周ポケットが形成されます。軽度の歯周病では歯周ポケットの深さは4~5mm程度ですが、重度の歯周病になると6mm以上に達することもあります。

深い歯周ポケットには、通常のクリーニングではケアが届かず、プラークや歯石が溜まりやすくなります。外科的な方法で、これらを除去する必要が生じます。

 

歯を支える骨が減少している場合

歯周病が進むと、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けることがあります。骨の吸収が進行すると歯がぐらつき、通常の治療では症状を改善するのが難しくなります。

こうした場合、骨を再生させるための外科的処置が検討されます。歯槽骨を回復することで歯の安定を取り戻せば、歯の寿命を延ばせます。

 

歯茎が下がり歯根が露出している場合

歯周病が進行すると、歯茎が後退して歯根が露出することがあります。この状態まで悪化すると、歯が長く見えるだけでなく、冷たい飲み物や歯磨きの際に痛みを感じやすくなります。

症状を改善するために、歯肉を移植する手術やその他の外科治療が行われることがあります。

外科治療が必要かどうかは、歯周病の進行状況や患者様の症状によって異なります。適切な治療を受けるためには、定期的に歯科医院で診察を受け、医師の判断を仰ぐことが大切です。

 

歯周病の外科治療の種類

外科治療の目的は、歯周病の原因となる細菌や感染組織を徹底的に除去し、歯周組織の再生や歯茎の改善を促進することです。ここでは、代表的な歯周病の外科治療方法を解説します。

 

フラップ手術

フラップ手術は、歯周ポケットの深部に蓄積した細菌や歯石を取り除き、歯周組織の健康を取り戻す治療法です。この治療では、歯茎を切開して歯根を露出させることで、直接目視しながら清掃を行います。

特に、深い歯周ポケットがある場合に効果的で、炎症の改善やポケットの縮小が期待できます。

 

歯周形成手術

歯周形成手術は、歯茎の見た目や機能の改善を目的とした治療法です。例えば、歯茎が下がり歯根が露出している場合、根面被覆術が行われることがあります。

根面被覆術は、健康な歯茎組織を他の部位から採取し、露出した歯根部分に移植する方法です。見た目の改善だけでなく、歯根部の保護や歯の過敏症状の軽減も期待できます。

 

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法とは、歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜の再生を目指す治療法です。主な方法は、以下の3つです。

 

GTR法(歯周組織誘導法)

骨の再生を妨げる歯茎が歯周ポケット内部に入り込むのを防ぐため、特殊な膜(メンブレン)を使用してスペースを確保します。これにより、骨や歯根膜が時間をかけて再生するのを促します。

 

エムドゲイン

ブタの歯胚から抽出された成分を利用し、歯周組織の再生を促す薬剤です。歯根表面に塗布することで、歯が生える過程に似た環境を作り出し、歯槽骨や歯根膜の修復を助けます。

 

リグロス

エムドゲインと同様の効果を持つ再生薬剤で、保険が適用されます。フラップ手術後に歯根表面に塗布し、歯周組織の再生を期待します。

 

歯周病の外科治療の目的

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外科治療の目的は、歯周病の進行を防ぎ、歯周ポケットを浅くして原因菌の繁殖を抑えることが主な目的です。これにより、再発を防ぎやすくなります。

さらに、歯槽骨や歯周組織を再生させることも外科治療の重要な役割です。失われた骨や組織が回復すれば、歯を保存できる可能性が高まります。

また、歯茎や骨の状態を整えることで、将来的にインプラントやブリッジなどの補綴治療が行いやすくなるという利点もあります。外科治療は、現在の症状の改善だけでなく、今後の歯の健康を守るためにも重要です。

 

歯周病の外科治療ができない人

外科治療を行うには一定の条件が求められるため、健康状態や生活習慣などによって治療が難しいケースもあります。ここでは、外科治療が適応されない可能性がある人について解説します。

 

全身疾患がある場合

全身疾患を抱えている方は、外科治療に対して特別な配慮が必要です。心疾患や糖尿病、高血圧などの持病がある場合、手術による体調の悪化が懸念されます。また、血液をサラサラにする薬を服用している場合には、術後の止血が困難になるリスクがあります。

これらの状況では、歯科医師と主治医が連携し、安全に治療を進められるかを判断します。

 

歯周病が進行しすぎている場合

歯周病が重度に進行しており、歯を支える骨がほとんど失われている場合には、外科治療で改善が見込めないことがあります。このようなケースでは抜歯が選択されることも多く、義歯やインプラントなど、他の方法で歯の機能を補う治療が検討されます。

 

セルフケアが不十分な場合

手術後のセルフケアが重要視される歯周病治療では、日々の歯磨きや口腔内のケアが不十分な方は、外科治療が適応とならない場合があります。セルフケアが不足していると、手術の効果が短期間で失われ、再発の可能性が高くなるからです。

まずは歯科医師の指導のもとで、セルフケアの改善に取り組むことが求められます。

 

喫煙習慣がある場合

喫煙は歯周病の進行を助長し、外科治療後の傷の治癒を遅らせる原因となります。そのため、喫煙習慣がある方には禁煙が推奨されます。治療の成功率や効果の持続性を高めるため、禁煙が外科治療の条件となる場合もあります。

 

歯周病の外科治療のメリット・デメリット

歯周病の外科治療には、病状の改善や予防につながるメリットがある一方で、治療過程や術後のケアに注意が必要なデメリットも存在します。治療を受ける前に、それぞれの特徴をしっかりと理解しておくことが重要です。

 

歯周病の外科治療を行うメリット

まずは、外科治療を行うメリットについて解説していきます。

 

歯周病の進行を防ぎやすくなる

歯周病が悪化すると、歯茎の深部にまで汚れが溜まり、炎症が進行します。外科治療では、通常のクリーニングでは届かない部分の歯石やプラークを除去できるため、歯周ポケットが浅くなり、清掃がしやすくなることで再発を予防できます。

 

見た目が改善される

フラップ手術や切除療法を行うことで、腫れた歯茎が引き締まり、歯茎の形状が整います。これにより、口元の見た目が改善されることが期待できます。

 

歯の保存が可能になる場合がある

進行した歯周病では、歯を支える歯槽骨が減少し、最悪の場合、抜歯が必要になることもあります。歯周組織再生療法を取り入れることで、失われた歯周組織を再生し、歯を保存できる可能性が高まります。

 

口臭が軽減される

歯茎内に隠れていた歯石や汚れが除去されることで、原因菌が減少します。口臭には細菌が関係しているため、口臭の改善につながることがあります。

 

歯周病の外科治療を行うデメリット

続いては、外科治療を行うデメリットについて解説していきます。

 

術後に痛みや腫れが生じる

外科治療では、歯茎を切開し縫合するため、術後に一時的な痛みや腫れが発生することがあります。通常、痛み止めで対応できますが、完全に不快感を避けることは難しいでしょう。

 

歯茎が下がる可能性がある

治療により腫れた歯茎が引き締まると健康的な状態に戻りますが、その結果、歯が長く見えることがあります。見た目の変化に戸惑うことがあるかもしれませんが、歯茎自体は健康を取り戻している状態です。

 

知覚過敏が発生することがある

治療後、露出した歯の根元部分が刺激に敏感になり、冷たいものや熱いものに対する知覚過敏が起こることがあります。この症状は、専用の薬を塗布することで緩和できます。

 

歯周病の外科治療の費用

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保険が適用される場合と自費診療になる場合があり、それぞれの費用の目安を知っておくことは大切です。ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。

 

保険適用の場合

歯周病治療の中でも、フラップ手術などの基本的な外科治療には、日本の健康保険が適用されることが一般的です。この場合、治療にかかる費用は、保険適用の範囲内で決まります。

患者様の自己負担額は、保険負担割合(通常は3割負担)や治療が必要な歯の本数によって異なります。数千円から1万円程度の負担で治療できるでしょう。

また、条件を満たす患者様には、歯周組織再生療法の一環としてリグロスを使用した治療にも保険が適用されます。この場合の治療費は、7,000円から2万円程度が一般的です。

リグロスの使用は再生効果が期待できる治療法であり、リーズナブルな費用で受けられるのが特徴です。

 

自費診療の場合

保険が適用されない外科治療や、特殊な治療法を選択する場合は、自費診療となります。自費診療の費用は、使用される素材、治療の難易度、歯科医院の設定料金によって大きく異なりますが、10万円から30万円程度が目安です。

一部の高度な再生療法や高品質の素材を使用する場合には、それ以上の費用がかかるケースもあります。

 

まとめ

歯周病の進行を防ぐためには、早期発見と適切な治療が不可欠です。軽度の場合は予防的なケアで改善できますが、進行すると外科的治療が必要になることもあります。

歯周病が悪化する前に、定期的な歯科検診を受けることが大切です。早期対応で、健康な歯を守りましょう。

歯周病の外科治療を検討されている方は、茨城県取手市にある歯医者「One's歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、気軽に通える歯医者を目指して虫歯・歯周病治療や小児歯科、ホワイトニング、入れ歯治療、インプラントなどを行っています。ホームページはこちらWeb診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。